ギターとサウンド

 

自分のプレイスタイルについて
自分のプレイスタイルについて
 自分の 演奏スタイルについて言葉で説明するのは難しいのですが、1つの理想としていつも頭にイメージしているのは、クラシックギターの緻密さ、繊細さと、フラメンコギターの正確さ、力強さ、そして ジャズの即興性を合わせ持った演奏をしたいという事です。 実はこれら3つの要素には、お互い相容れないところも多いのですが、自分が関わってきた順に各々説明してみたいと思います。


ジャズ:
僕は26歳までエレキギターで、所謂ジャズギターを演奏していました。 良いアドリブソロが弾ける様になるべく、基礎テクニックを習得し、理論を学びレコードコピーをするという作業を繰り返すうち、フレーズの引き出しも増えてくるのですが、それに伴って少しずつ違和感を感じる様になりました。「アドリブ」を「練習」するという矛盾に気付いたという事でしょうか、興味は徐々にクラシックに移行して行きました。
ジャズの即興とは、弾けるフレーズを羅列する事ではなく、回りの音を聞きながらその局 面に反応していく事だと、今は解釈しています。そしてそれは、フラメンコの伴奏にも通じる演奏形態だと思います。
今はもうエレキギターを弾く事はありませんが、自分の音楽的ルーツはジャズにあると考えています。

クラシック:
楽譜という大前提があり、決められた音を忠実に再現する事が求められるクラシックギターは、ジャズという不確定要素の多い音楽をやっていた自分には、とても新鮮で安心出来る場所でした。それ以前から、テクニックの基本はクラシックに有り、というあこがれ(コンプレックス?)がありましたし、ピックから指弾きへの移行に伴う苦労はあったものの、1人で音楽を創っていける楽チンさ(バンド出身のクラシック奏者はみんなそう言いますね)、音楽語法や時代様式など学ばなければならない事はいっぱいあるけれど、メソッドが確立されているので、成果が目に見えやすい事など。               
しかし、クラシックギターに専念して10年程たった頃から、少しずつ閉息感を感じる様 になり(その理由としては、ギターをやっている人しかコンサートに足を運ばない事、ホールで演奏するにはあまりに生音が小さすぎる事、音色優先でリズムがないがしろにされがちな事、プレイヤーの個性よりも作曲者の意図が尊重される事など)、その後自分の興味はボサノバやタンゴなど他のガットギターのジャンルに移って行きました。
    
フラメンコ:
最初は単なる技術的な興味で始めたフラメンコですが、クラシックを演奏していた時には気付かなかった、新たな価値観がここにはたくさん有りました。
音色に対する美意識がクラシックとは違う事、常にリズム最優先である事、クラシックギターの何倍もの音量を要求される事(後者2点に関しては音楽と言うよりスポーツに近いかも)、伴奏においてはジャズ的な即興性と瞬発力が必要な事など。
フラメンコギターの本分は伴奏にあると思うので、即興性という言葉をキーワードに今後も学び続けていきたいと考えています。

以上3つの要素は自分の中で優劣なく混在しています。色んなジャンルの音楽を演奏してきて、今現在
感じている事、そして自分のバックボーンを知って頂くためにここに記しました。

 

寺前 浩之(2003年4月記)

 

表紙に戻る